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now and again

8月は主著者として3報分のアクセプトが出ました。
ひと月に3つの受理が集中するのは、自分とっては、かなり確率が低い事象です。
(褒められたものではない、少ない業績総数しかないので、、、)
育児が始まって、いきなり時間に余裕が無くなりましたが
あのハウツー本(最近聞かない表現)に従って、Binge writerを卒業しなければ先は無いなあ。
とにかく新規で早く投稿したい。
(リジェクト論文達もなんとかしないといけないのだけど)

せっかくなので紹介しておくと
受理の内訳は2つが国際誌で、1つが和文の解説記事です。
解説記事は、年末出版なので少し時間がかかりますが
他2報はすでに、巻号、ページもついてオンラインで出版されました。
 
 こちらは農環研時代の仕事で、10県の農業試験場の方と共同で行った仕事でした。共著者は18名ですが、実際には各県には最低でも二人以上の方に御世話になっているので、総勢30名以上は関わっている大型プロジェクトでした。各県では、様々な経験や御好意を頂いて、個人的には研究を超えて重要な経験でした。今でも、引き続き御世話になっている方もいます。
 今回の内容はプロジェクト成果のメインディッシュではないのですが、化学肥料投入時のN2O排出の地点間差を生む要因を調べたものです。主張したい事は単純で、ガス放出を研究するなら表層土壌ばっかり調べてないで、もっと土掘りなさいよ、ということです。環境の変動に拠って酸化還元が頻繁に変化するであろう、斑鉄がある存在する層位の深さで、施肥N由来のN2O放出量の大きさが決まることを示しました。共著者の二人の強力なペドロジストがいたおかげで得られた研究視点です。
 それと、この論文ではUSDAの土壌研究者が開発した"aqp (Algorithms for Quantitative Pedology )"というRのpackageを利用しています。論文が出た後に、ナイスなpackageの開発サンクスとメールした所、Dylanさんは東広島に交換留学で日本に住んでいたとの返信が。よく見れば、UC DavisのHPには日本語ちょいしゃべれるとの情報があった(そういえばもうすぐUCシリーズに留学するTUATの学生さんが行くなあ)。なにか機会(と予算)があれば、是非日本に呼びたいなあと思っています。ユーザーが未だ少ないとのことで、使用感などをフィードバックしておきました。かなりニッチなPackageだし、この分野はまだRの普及率も低いからなあ。その割に、関数や機能がリッチなので、なかなかとっつきづらい所はありますね。土壌の記載断面表の情報を余すこと無く使えますし、サイトの情報をより定量的に扱えるので、広く普及して欲しいとおもいます。何よりマンセル・カラーを使った土壌の図示化は非常に重要。土の色は土壌の性質を知る上で最も重要な情報なので。
 
 こちらは色んな意味で挑戦しました。放射性Csの森林生態系内動態モデル開発の論文で、オープンアクセスの雑誌かつ、ソースコードもオープンで論文サプリメントに掲載しています。モデルはRで記述していて、誰でも再現可能な中身となっています。もちろんど真ん中の分野のジャーナルで勝負しても良かったのですが、速報性と新しい研究成果の発表の仕方に適した内容だと思っています。ジャーナルの伝統というのは、とても大事なファクターですし、近い研究分野のオーディエンスを得るには有効だとは思いますが、この辺、特に査読には思うところがあって(いずれ語ろうかと。最近カウントしたら査読した雑誌の種類が20くらいになってました)、今回は上司の資金に物言わせて上記雑誌に出してみました。なにはともあれ、使ってもらわねば話にならないということで、国内の関係者とかフランスの方に宣伝メールを投げておきました。もちろん自分でも研究は進めていきます。モデルとしては高等なもので決して無いですが、早いうちにモデル使用法のドキュメントなどを整備したいと思います。
 昨年から新しい課題として取り組み始めたのですが、”三つ子のたましい百まで”なのか、出身研究室にいた時に学んだ内容というのは頭にこびりついるようで、自分でも驚きました。森林経理やrCsの分野は、古い知識であれば直ぐに出てきて、さほど苦労しませんでした。同じ部屋の先輩後輩の研究分野の内容は、こっそり色んな論文読んで、痛い質問の内容をだいたい用意しておいた経験が活きたのかもしれません。
 
(それと、たぶん絶対に誰も気付いてくれないとおもいますが、これらの論文を持って検定もp値も使っていない主著者論文が6報連続となりました。物質循環には検定が必要な局面はそれほど多くないです。でもp値は不要だみたいな議論を加えてしまった論文はことごとく弾かれてますが、、、)
 
 
 今年は他にもNishina et al. in ESD (←陸域炭素循環の将来予測で自分の知りたい書きたい図と全球マップを描きました。心折れかけましたが、Luchtさんからの励ましメールで奮起)と共著論文(Hashimoto et al., in BG ←新全球土壌呼吸推定データ。きっとドンドン使われます。CMIP5関係で協力させて頂きました。;Frieler et al. in ESD←お互いに苦労しました。とりあえず良かった。寿司屋でリーダなのに論文が出ないで情けないと仰ってましたが、挑戦した内容だと思います)にも恵まれました。一旦落ちついてしまったので、とにかく次。思った以上の育児の大変さを思い知る今日このごろですが、集中力を高めて乗り切っていきたい。

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コメント

すばらしい!Agr~~はすでに見たけどFrontierはまだでした。たのしみにしてます。またいろいろおしえてください!

投稿: ば | 2015/09/25 14:31

>ば様

安定同位体なモデルも、早くなんとかしないといけないですね。
こちらこそ、相談させてください

投稿: にしな | 2015/09/27 12:31

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